半年で最上位ランク会員数が想定の140%に。「まず会話を生む」会員ランク設計で変わったPAPABUBBLEの顧客との関係。

半年で最上位ランク会員数が想定の140%に。「まず会話を生む」会員ランク設計で変わったPAPABUBBLEの顧客との関係。

PAPABUBBLE(パパブブレ)は、キャンディなどさまざまなお菓子を製造・販売するブランドです。20周年を迎えるタイミングで「PAPABUBBLEの会員でいることのワクワク感」を軸に、会員ランク制度をリニューアルしました。

「ランクを上げること」ではなく、「まず会話を生むこと」を目的に会員ランクの再設計を行なった結果、半年で最上位ランクの会員数が想定の140%に成長しました。
30万人規模の会員データを扱いながら、毎年リセットされるランク設計、店舗とECを横断した特典設計、そしてランク変動を起点にしたCRMの自動化まで実装しています。

【PAPABUBBLEのランク設計ポイント】

  • 毎年7/1に自動でランクをリセット
  • 累計購入金額が次のランクの条件を満たした時点で、即時ランクアップ
  • 店舗とECを横断したランク特典の提供

本記事では、PAPABUBBLEがどのような思想で会員ランクを再設計し、その複雑な要件を「らんキィ」でどのように実現したのかを伺いました。

【インタビュイー】

長尾怜央菜 様

マーケティング・広報を担当。店舗とECを横断し、キャンペーンの立案・実施やCRM施策としてのLINE配信を担う。ブランドの世界観を軸に、売上とファンづくりの両立を推進している。

鄧(ロン)湘蓉 様

全社のDX化やデータの分析を担当。ECに限らず店舗も含めたすべてのチャネルでのデータを分析し、見えてきた傾向をもとに、施策の立案から実装までを担当。


メリットを感じにくい会員ランク設計が課題となり、アクティブ率が低下していた

ー まずは、PAPABUBBLEについて教えてください。

長尾さま:PAPABUBBLEは、スペイン発祥のキャンディショップです。色とりどりにデザインされたキャンディは、すべて職人が手作りしています。「Craft Candy Theater」をキャッチコピーに、特定の店舗ではショーケースでキャンディ制作の実演を行うなど、お客様に楽しんでいただくことを大切にしています。

PAPABUBBLE公式オンラインサイト

キャンディの可愛らしさや手に取りやすさから、ギフトとしての需要が多く、30〜40代の女性にご購入いただくことが多い印象です。また、お子さんと一緒にキャンディづくりのワークショップに参加し、そのまま購入していただくことも多いです。

最近では、10代のみなさまにもより知ってもらうために、コラボ商品などにも力を入れています。


ー メンバーシッププログラム(会員ランク)は以前より実施されていましたが、今回リニューアルを機に「らんキィ」にご相談いただきました。以前のメンバーシッププログラムはどのような内容だったのですか?

長尾さま:もともとお客様とのつながりを増やす目的でメンバーシッププログラムを始めましたが、当時はそこまでランクによる特典は用意していませんでした。また、購入金額によってランクが上がっていく内容だったのですが、購入金額がリセットされないため、一度ランクが最上位に上がり切ってしまうと、それ以上変化がない設計でした。

その結果、店舗で会員証を表示してくださるお客様が徐々に減ってきました。また、商材の特性上、注文履歴を頻繁に見返すことも少なく、お客様にとって会員証を提示するメリットが感じにくかったのだと思います。店舗スタッフがお客様に会員証の提示や会員登録を積極的に案内することも減ってしまい、結果としてアクティブユーザー数が減少していました。

ロンさま:弊社では店舗・ECを横断して注文や顧客情報を分析し、傾向から次の施策を検討しています。その中で、会員のアクティブ率の低下は、単に会員数が減るという問題にとどまらないと感じていました。

会員のアクティブ率が下がると、さまざまな施策を考えるためのデータが減り、適切なCRM施策を実施できず、結果としてお客様と継続的な関係を築くことが難しくなります。また、購買データからお客様の好みや行動を知ることもできなくなります。

ちょうど20周年を迎えるタイミングだったこともあり、アクティブ率の回復を目的に、メンバーシッププログラムのリニューアルを検討しました。


EC・店舗の両方で、長くお買い物を楽しんでもらうためのランク設計に

ー なるほど。たしかに、顧客としてメリットを感じられないと会員証を出すのが億劫になりますよね。リニューアルするプログラムはどのようなコンセプト・内容で検討されたのでしょうか?

ロンさま:「PAPABUBBLE会員でいることのワクワク感」を作るところから検討を始めました。先述の通り、過去の会員制度はお客様にとってのメリットが分かりづらかったので、「特典が分かりやすくて、自然と会員登録したくなる。使い続けたくなる仕組み」を意識しています。

ランクの条件は、会員のアクティブ率をどう維持するかを重視しました。過去の客単価・LTVのデータを元にして、各ランクの条件(累計購入金額)を設定しています。

ランクは毎年7月1日にリセットされ、そこから1年間、購入金額に応じてランクが上がっていく設計です。毎年特典を変更し、目標をもってお買い物を楽しんでもらいたいと考え、特定日に全顧客のランクがリセットされる仕組みにしました。

特典は、ツースターは店舗での交換、スリースターとスペシャルはECで配送先を指定してお届けする形にしています。また、会員登録特典として店舗で交換できるキャンディのプレゼントも用意しています。

 

【PAPABUBBLEのランク設計ポイント】

  • 毎年7/1に自動でランクをリセット
  • 累計購入金額が次のランクの条件を満たした時点で、即時ランクアップ
  • 店舗とECを横断したランクの特典の提供


ー 特典の受け取り方が、店舗とECそれぞれで用意されているのは珍しく感じます。

ロンさま:はい、そこはこだわったポイントです。特典の受け取り方を設計する際は、OMOを意識し、いかにお客様とコミュニケーションを取れるかを重視しました。例えば、一度店舗で販売員と会話すると一気にブランドとの距離が近くなるため、会員登録の特典は店舗での受け取りにしました。

また、普段店舗でお買い物されている方が一度ECでの購入オペレーションを体験すると、将来的にECを使うハードルを下げることができます。そのため、ECでの特典の交換をあえて取り入れました。

これによって、EC・店舗それぞれで購入している人が、どちらのチャネルでも購入していただけるような仕組みを構築しています。

ー その中で「らんキィ」の導入のきっかけは何だったのでしょうか。

ロンさま:1つは、検討していた内容をすべて実現できたことです。もともと、特定日にランクをリセットする機能はなかったのですが、要望を汲みとり公開に合わせて用意していただきました(※)。設定も簡単で弊社のような複雑なランク条件にも対応できたのは魅力的でした。

(※)2026年3月現在、本機能は一部のストア様に限定して提供しています。利用を希望される場合は、カスタマーサポートにお問い合わせください。問い合わせ

また、以前より「CRM PLUS on LINE」と「Omni Hub」を導入していたため、同じグループ会社のサービスということもあり安心感がありました。当社ではすでに30万人ほどお客様がいらっしゃり、ランクを一斉に評価・付与する処理が発生するため、当初は不安もありました。しかし、設定のサポートも3サービスの担当者さんが連携してくださり、スムーズにリニューアルや店舗との連携を実施することができました

長尾さま:また、当社はポイントシステムを導入せず、あえて「ランクのみ」にしています。「ポイントを貯める」メリットを感じていただくことももちろんあると思うのですが、それよりも会員限定のクーポンや不定期のサプライズギフトといった特典を通して、「次は何があるんだろう」と楽しみにしてもらい、会員でいること自体に期待感を持ってもらいたいと考えているためです。

ポイントとランクが一体になったアプリは多いのですが、当社にとってはオーバースペックで、料金も見合わなくなります。らんキィは、ランクシステムに特化しており、必要十分な機能を安価に利用できる点が魅力的だと感じました。

半年で最上位ランクが想定の140%。店舗での会員証提示率も向上し、ECを含めた購買行動が拡大

ー リニューアルをして半年ほど経過しました。(インタビュー時2025年12月)成果のほうはいかがですか?

ロンさま:今回のリニューアルで見えてきた主な変化は、以下の3点です。

  • ランクアップを目指す動機が生まれ、購入単価や購入頻度が向上
  • 特典をきっかけに、店舗中心の顧客がECも利用するように
  • 会員証提示を起点に、店舗での会話が自然に増加

特に大きな成果として、最上位ランク(スペシャル)の会員数が、想定していた数の約140%に成長しています。たくさん購入すると特典がもらえるというわかりやすいメリットによって、購入単価や購入頻度が向上していると感じます。特に常連の方のランクをリセットしたことで、再び目標を持ってお買い物を楽しんでもらうきっかけになっているのではないかと考えています。

また、これまで店舗中心だった方が、特典の引き換えをきっかけにECで購入するケースも多く見られるようになりました。狙い通り、オンラインとオフラインを横断した購入が増えていることを、成果として実感しています。

長尾さま:旧ランクで課題だった、アクティブ率の低下も改善されています。店舗は、販売員が会員証の提示を毎回促しており、特典があることで提示してくれるお客様も増えていると現場メンバーから報告を受けています。

また、らんキィには「あと何円で次のランクです」というランクアップ条件を表示する機能があります。店舗で会員証を提示する際に販売員も確認することができるので、「もうすぐレベルアップですね!」といったような会話も生まれていますそこから販売員との距離の近さを感じて、「また買おう」と思ってもらえる機会を作れていると感じます。

お客様にとっても、ブランドにとってもメリットのある仕組みづくりができていると感じています。

ー 成果が出ているとのこと、良かったです!CRMとの連携はどうでしょうか?

ロンさま:らんキィの「Rank update(ランクが変動したとき)」のShopify Flowトリガーを使って、ランクが上がったらLINEでメッセージを配信するフローを自動化しています。ランクごとにメッセージのだし分けを行えるので、特典の情報など必要な情報だけを送ることができていて助かります。

また、ランクごとにセグメント配信を実施することもよくあります。ランクやアクティブ率によって、刺さるメッセージや使ってもらいやすいクーポンが異なってきます。これらを出し分けて配信することで、マーケ費用を抑えながら、効率よくCRM施策を打つこともできています。

関連記事:LINE連携Shopifyアプリ「CRM PLUS on LINE」導入事例インタビュー

ROAS1500%を達成!PAPABUBBLEに学ぶ、会員ランク×LINE活用のOMO戦略

 

ー ありがとうございます。今後実施されたいことはありますか?

ロンさま:7月1日に全ランクがリセットされる予定なので、今年度の実績を元に、ランク設計を見直したいと思っています。また、特典も新しいものを用意したいと思っています。

今後も、オンラインとオフラインを横断して分析をしたり、分析結果をもとにパーソナライズされたコンテンツをLINEで配信していきたいと思っているので、さらに「Omni Hub」と「CRM PLUS on LINE」との連携も強化されることを期待しています。

ー 今年度の結果が、来年度にもどのように影響していくのか楽しみですね! ありがとうございました!

 

▼関連記事

オムニチャネル会員連携アプリ「Omni Hub」導入事例インタビュー

会員ランクを軸に店舗とECがつながるPAPABUBBLEが取り組むOMOなメンバーシップとは

 

一覧に戻る