ハーブ・アロマテラピー専門店として全国に約80店舗を展開する「生活の木」さま。商品を長く愛用するお客さまが多いというブランド特性の中で、「継続して生活の木をご利用いただいているお客さまに報いたい」との思いから、2026年4月に、一度廃止していた会員ランク制度(会員ステージ)を「らんキィ」を用いて復活しました。
再構築されたランク制度の根底には、2024年のShopify導入後から可視化された、店舗とECのお客さまの購買データがあります。データを元に会員ランク制度を設計し、制度導入前後の3か月平均で新規会員は28%、売上は6%増加という大きな成長を遂げました。
特にポイントアップ週間「木の週間」では、前年比で新規会員登録数はおよそ40%、売上は50%増という大きな成果につながっています。
お客さまに楽しんでもらうとともに、ブランドらしさを表し、店舗スタッフにとっても分かりやすいランク設計のポイントについてご紹介します。
【目次】
【インタビュイー】
株式会社生活の木 マーケティング本部 木内颯人さま
2019年 株式会社生活の木に入社し、店舗・専門店本部(店舗統括部門)・マーケティング本部を経て現在は経営管理室(経理・総務部門)でDX戦略推進を担当。
2023年に専門店本部にて全店スマレジ導入を達成し、2025年に店舗、EC、卸の売上データをBIにて可視化。
2026年にはShopifyとZohoの連携から予約システムの構築を行う。
「継続してくれるお客さまに、もっと報いたい」——ランク制度を再構築した背景
―「会員ランク制度を再構築したい」と考えた背景を教えてください
弊社の会員プログラムは、これまで数度の改定を経てきました。過去には磁気のポイントカードを用いて、すべてのお客さまに1%、上位のお客さまには10%のポイント還元するランク制度を設けていた時期もありました。
しかし、当時のランク制度は、「一度ランクが上がると下がらない」仕組みであったため、「次のランクを目指したり、ランクを維持する楽しみを提供する」ことが弱くなっていたんです。
2024年2月にオンラインストアをShopifyに乗り換えた際に、会員プログラム全体を見直すことにしました。このとき、一旦会員ランクを廃止し「店舗とECの共通ですべてのお客さまに1%のポイント還元」としました。
店舗・EC共通ポイントプログラムの構築にはリワイアが提供する「どこポイ」「Omni Hub」を採用し、ポイントを使って次の購入につなげられる土台ができました。
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Shopifyに移行して最も良かったことは、「店舗とECでお客さまの購入頻度や金額が一元的に見えるようになった」ことです。移行して2年ほど経ち、生活の木を愛用いただいているお客さまがどのような方か、どのように商品を購入されているかがくっきりと見えてきました。改めて実感したのは、私たちの商品は、日々の生活の中で継続して買ってくれるお客さまがとても多いということです。
購買状況が見えるようになったことで「全員一律のポイント還元率ではなく、継続して生活の木をご利用いただいているお客さまにもっと報いる会員ランク制度を作りたい」という気持ちが芽生えました。

「わかりやすさ」と「続ける楽しさ」を両立した、ランク設計と店舗運用
―ランクの設計では、どんな点を大切にされましたか?
他社様の会員制度も調査し、ランクを設計しました。継続して買ってくださるお客さまが多いぶん、「上を目指す楽しみ」を長く持ってもらえるように5段階のランク制度を設けています。また、ランクアップの条件は購入金額のみとし、その金額は、この2年間で蓄積したデータを元に、お客さまに魅力的な還元となるように設計しました。
ちなみに、当初は購入回数も条件に加えることを検討しました。ただ、弊社は商品の単価の幅が大きく、たとえば500円の商品を2回買われた方と、3万円の商品を1回買われた方を同じ物差しでは測れません。そのため、ランクアップの条件は購入金額に絞ることにしました。
ランクの名称は、「種会員」「葉会員」「花会員」のように、植物が育っていくイメージになぞらえました。生活の木らしさを大切にしたかったので、独自の名前にこだわっています。

―ランクの設計で抜けがちなのは、ランクの更新(昇格・降格)のタイミングです。この点について貴社はどのように考えたのでしょうか?
ランクの集計は、らんキィの「前年度評価維持方式」を用いて、毎年4月〜翌年3月までの1年間の購入金額を見る形にしています。この方式では、年度の途中でも、条件が満たされた場合はすぐにランクが上がり、そのランクは次年度まで維持されます。
上を目指すのはいつでもできて、ランクの見直しは年に一度だけ。「頑張った分がすぐに反映され、それが1年間続く」という、お客さまが安心して積み重ねを楽しめる設計にしました。
前身のランク制度は「一度上がると下がらない」仕組みで、"次を目指す""維持する"楽しみが弱くなっていました。年度ごとに見直す形にしたことで、毎年あらためてランクを楽しんでいただけるようになったと感じています。

―ランクごとの特典は「ポイント付与率」と「誕生月ポイント」の違いに絞られています。この理由を教えてください
お客さまにとっても、店舗のスタッフにとっても、分かりやすくしたかったからです。弊社は全国に店舗を構えており、新規会員登録も売上も店舗が大きな比率を占めます。特典を複雑にすると店頭での説明や運用の負担が大きくなるため、シンプルな特典設計にこだわりました。

―全国の店舗には、どのように浸透させていったのですか?
月に一度の店長会で、制度の目的と施策を丁寧に共有しました。もともと取り組んできた施策の延長線上にあるものだったので、店舗にもすんなりと受け入れてもらえました。
ポイントアップ週間の新規会員登録数40%、売上50%増――会員ランクで実現した「お買い物の楽しみ」
―ランク制度の開始後、どのような変化がありましたか?
想定以上に良い成果を得られています。まず、ランクを開始する前に「4月より会員ランク制度が始まります」と案内してから「私のランクを確認したい」「次のランクに上げておきたい」というご相談が多く寄せられ、駆け込みの購入も見られました。「多くの方がポイント還元率を気にされているんだな」と実感しましたね。
会員ランク制度を始めてから、最も効果を実感したのが「木の週間」という年に数回のポイント還元率が通常の2倍になる期間です。
最上位の「花会員」は通常のポイント還元率が5%なので、木の週間中はポイント還元率が10%に上がり、高額な商品もお得にお求めいただきました。また、最下位の「種会員」も還元率が2%に上がるため、還元率のよさを実感して会員になってくださる方が増えました。
結果として、木の週間では前年比で新規会員登録数が40%、売上が50%ほど増加しました。
また、ランク制度導入前後の3か月平均で比較すると月間の売上が6%、新規会員登録数も28%増と、大きな効果が得られていると思います。
「このくらいの方が花会員になっていただけるだろう」と予想していた以上に上位ランクのお客さまが増え、会員ランク制度を楽しんでいただけているのが、とても嬉しいです。
―ランク制度に関して、他におこなっている施策や今後の構想はありますか?
弊社の店舗スタッフは「生活の木」の商品が好きな方が多く、スタッフ自身が商品を試すことで、お客さまにより深いご提案ができます。そこで今後は、店舗スタッフ向けに「社員」ランクを設けて会員ランクの対象外とし、代わりに社割を活用してもらう予定です。
そのほかにも、これまでポイントの対象外だったカルチャースクールの会員さまも、サイトをShopifyに寄せたことで、ポイントをお付けできるようになりました。こうした地続きの拡張も、少しずつ進めています。

ランクを起点に、一人ひとりの"続ける楽しみ"をオンラインとオフラインで深めていく
―らんキィの使い勝手はいかがでしょうか?
どこポイを既にポイントアプリとして利用しているので、ランク制度を実施するにはらんキィを選ぶのが妥当な判断でした。
らんキィは会員ランクに特化したアプリなので、機能がシンプルで使いやすいです。
最初の設定を一度おこなえば、日々の業務でらんキィを開くことはほとんどありません。裏側でらんキィが動いてくれていて、どこポイと連携してランクに応じたポイント還元をおこなえている、という安心感があります。
―ランク制度を始めるかどうか迷っている事業者さまにメッセージをお願いします
ランク制度を開始していない事業者さまと話していると、「ランクに興味はあるが、実際の成果が分からず、社内へ検討材料を出せない」という声をよくうかがいます。
ランクアップ条件をどう置くのか、どのお客さまに喜ばれ、売上にどうつながるのか、といった費用対効果が判断しづらいのだろうと思います。
弊社ではこれまで申し上げたように、ランク制度を設けることでお客さまへ日々のお買い物でのメリットをより多く還元できるようになりました。ランク設計のコツはらんキィ側のサポートも受けて検討したので、気軽にらんキィへ問い合わせてみると良いのではないでしょうか。
―会員ランク制度を通じて今後取り組まれたいことについて教えてください
これから力を入れたいのは、会員ランクを活かした、オンライン・オフライン両面でのコミュニケーションの改善です。ランク制度はまだ運用を始めたばかりですので、お客さまに2年目以降も「続ける楽しみ」を感じていただきたいと考えています。
そのための入り口として重要なのが、新しく会員になってくださった方に、いかにリピートしていただくかです。弊社では直近ワークショップにも力を入れており、これまでは店舗で直接、もしくは電話でのみ受け付けていた参加予約をオンラインでも申し込めるようにしました。このようなイベントに参加して会員登録される方も増えています。こうして新しく生活の木とつながっていただいた方々を、会員ランクを通じて継続的なご利用につなげていくことが、大きなテーマになっています。
一方で、長くご愛用くださっている上位のお客さまには、さらに魅力的な体験をお届けしたいですね。先日開催した創業祭「原宿祭」では、招待制で特別なレッスンを開催したのですが、やはりすぐにご予約が埋まりました。上位ランクのお客さまほど、生活の木が提供する世界観や体験を深く楽しんでくださっているので、こうしたお客さまへの還元も強化していきたいです。
―今後もらんキィや各サービスにて貴社のお客さまとの関係性強化をご支援いたします。本日は貴重なお話をありがとうございました!
